・中国関連本紹介
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よく、「中国がらみでお薦めの本はあるのか??」と聞かれますので、まとめてみようかと思います。1997年から2001年まで北京に住み、それから今までこの様な仕事をしていますので結構本も読みましたし、無駄な知識も貯めております(笑) ですので、皆さんにその一端を知って頂こうかと思います。アマゾンへ直接リンクを張らせていただいております。 一般の書店だともう販売していない本が多い事と、皆さんが本を見て私が頂くポイントで改めて中国系の本を買わせて頂こうと言う下心もあります(笑)
・中国美術などに関する総合的な本 ・中国吉祥図案の本 ・北京の本 ・切り絵の本 ・ポスターの本 ・中国趣味の本
・中国の美術―見かた・考えかた (古田 真一 著)
一般に知られることの少ない中国の美術をコンパクトに紹介した入門書。古代の青銅器や玉器から、書画、陶器、そして現代アートまで、中国の美術をまとめて紹介しています。やや難解ですが、図や解説が丁寧なので、中国美術の概要を知るためにはぴったりの一冊。おどろおどろしい青銅器も、ポップな現代アートも「実は深層ではつながっている」と言う事が読んでいくうちに解ってきて非常に面白い本です。 今でも暇なときに拾い読みしたり、骨董を探す時に参考にしたりと、大活躍です。
・日本・中国の文様事典 (視覚デザイン研究所 編集)
日本、中国の文様を植物・動物・器物といった具体的な分類でまとめ、豊富な図版で説明。「文様のコラム」で文様にまつわる知識を、「文様の歴史」で文様の移り変わりについてまとめる。 解りやすく分類されているので、非常に見やすい図案辞典。はじめてみる図案を調べる時などに愛用しています。日本と中国の対比もなかなか面白い。 辞典ではなく、読み物としても非常に読み応え満点。 模様やデザインに興味がある方にお勧めです。
・いま見ても新しい古代中国の造形(杉原 たく哉著)
かつて、中国の博物館などに並ぶ青銅器や玉器などを見ると、あまりにも斬新なデザインで「はっ」とする事がよくありました。その時は驚くだけで終わってしまったのですが、この本を読んでその驚きの奥になる意味がわかった気がしました。古代の人々の感性の豊かさは、現在さまざまな情報に触れる我々にはないものかもしれません。
中国図像学の本。しかも、書き口が柔らかく、読み物としても面白い(雑誌の連載が元だったからだと思います)。中国美術に限らず、中国は色々なマークや図像に意味を持たせる国。たとえば、「蝙蝠」。世界各国で嫌われるこの生き物ですが、中国では「福」と発音が同じことから幸福のシンボルとなります。この本を読むとこのような気づきが増え、中国の物を見るのが楽しくて仕方がなくなります。
辞書形式で中国の図案が解る本。辞書代わりに使うとともに、作業の間に飛ばし読みをする事も出来る本です。古典を引用し、さまざまな図案の詳細を説明しています。この本を片手に、身近にある中国の文物を調べ始めると、今までただの模様にすぎなかったものが、次から次へと意味を持ち始めるので驚きです。美術好きも歴史好きも楽しめる一冊。
中国図案のWEB素材集。大ぶりで独創的かつ中国風の図案が多く収録されています。 使いこなせればいいのですが、私の技術だとうまく使いこなせなかったので、眺める&壁紙に使っています。
「吉祥図案」が「何故、おめでたい図案として考えられているのか?」という疑問に答えるべく、わかりやすく解説しています。また、監修者の黒門先生による、日本人にとっての吉祥図案の使い方も合わせて紹介していますので、中国文化の学術書としてはもちろんのこと、開運をしたいという人にとっても最適の一冊です・・・・だそうです。あまり開運には興味はないのですが、解りやすく吉祥図案を解説しているので私は好きな一冊。
ハッピー図像の組み合わせで幸せが増殖する中国式「幸せづくり環境術」を一挙公開。
と、書いてあるように、かなり砕けた吉祥図案の解説本。蓮+石榴=子宝の様に、非常に解りやすい(笑) 他の吉祥図案の本に比べると非常に軽く解りやすい本です。読み物としても面白いので初めての方向け。この本1冊読んだだけで、中国の楽しみが一気に広がりますよ。
・北京で「満福」―普通がおいしい。本場の中華! 勝又 あや子
1997年から北京に留学した著者による北京食べ歩き本。元々ブログが元になっている本だけれど、文章力がある方なので、読みごたえは満点。北京のささやかな習慣から、庶民の名物、行事や食べ物など・・・・北京に住んでなくても楽しめる一冊。中国語の単語や、巻末に紹介したレストラン一覧などがあるので、ガイドブックとしても利用可能。移りゆく中国の、移り行かない場所「食」が垣間見れます。読むたびに北京に行きたくなる悪魔の本です。
・北京―都市の記憶 春名 徹著
北京は都市としてどのように発展してきたのか。黄金色に輝く故宮、青空に映える天壇、水と緑の頤和園、悠久の歴史を示す万里の長城、華やぐ王府井・前門界隈、庶民の哀歓を伝える胡同・・・・ガイドブック風の名所案内が折り込まれている本。読みやすいし、なかなか造形が深い新旧の名所の情報がある。2008年と比較的新しい本なので、読んでから北京に行く事をお勧めします。読んでいくと感動が5倍にはなります(笑) 東アジア地域史の先生が書いたガイド本!?といった感じです。
・胡同(フートン)―北京下町の路地 徐勇著
北京のと言えば「胡同」、「胡同」と言えば北京。と私は思います。迷路のような胡同ぶらぶら歩きながら、灰色の壁に囲まれた路地から空を眺め、どこからか響く大通りの音、鳩笛の響きに耳を傾けるのが20世紀の終わりに北京で暮らしていた時の休みの日の日課でした。その胡同もこの頃の大規模都市開発でどんどん壊されています。もうすぐ見れなくなる「北京らしさ」なのかもしれません。この写真集は天安門事件のすぐあとにとられた、私の知らない北京。でも、20世紀末に私が歩いた時と余り変わってないので驚きます。煉瓦の建物はやはり丈夫。幻想的な写真が多いですが、少し前の北京の裏路地を思い出させる名写真集です。
・北京 竹内実著
巻末の「北京は今までも北京でありこれからも北京である。北京は永遠である。」の一言にしびれます。体言止めを多用した独特の切り口、故宮の話から北京原人、物売り、大道芸、食べ物、政治まで、幅広い内容が豊かな表現とイラストと写真で書かれています。もう何回読んだんだろう??と言うぐらいの名著。19歳の時はじめて読んで、今まで大切に持って歩いてる本です。 この本参考に北京を歩いてから、北京通いが身についてしまいました。
北京を拠点とする日本人建築家による、実践的都市ガイド。ユーモアと機知に溢れた文化エッセイ。他の旅行ガイドにはない情報を多数収録。写真は全て撮りおろし。
テーマ別に分かれたガイドブック。観光地が載っていない、テーマごとに分かれるが取り上げている場所が離れている・・・・など、上級者むけ「街を見る」ガイドブック。建築や都市が好きな方お勧めの一冊。北京によく行く方でも楽しめる観光ガイドです。
清の時代の知識人が書いた北京の年中行事の本。本当に昔は行事が多かったんだと驚かされるボリュームです。今でも中国の文化や日本の文化に取りいれられている行事などもあって非常に興味深い。でも、ここまで行事だらけだとめんどうじゃないのか??などよけいな心配をしてしまいます。
簡単だけど、「ああ、なるほど味の決め手はここか!」と思わせる記述がある解りやすい料理の本。豆知識なども多く、中華料理に詳しくなれます。本当に基本的で簡単な料理が多いのでめんどうくさがりの私でも結構ちゃっちゃと作れちゃいました。このような料理の技術を蓄積していけばおいしい物が作れるんでしょうね。
昔夜のニュース番組に出てた朝日新聞の元解説員の加藤さんの本。15年くらい前の北京の描写が面白い。ケ小平の死亡記事を書いた時の裏話や、天安門事件の時の鬼気迫る描写は「あの時代」をしっかり生きた記者としての加藤さんの姿が見れて面白いです。
最初に少しだけ切り絵に対する解説が載っているのですが、後は淡々と切り絵が載っている本。どちらかというと、切り絵の作品集といった感じ。素朴で温かい図案が多く、ペラペラめくるだけで楽しい本です。
こちらも、切り絵の図案集。切り絵を作る人が参考にしたり、何か作る方が参考にする本だとは思いますが、私はペラペラとめくってみるのにぴったりかな・・・・と、思っています。
切り絵をやられる方向けの本です。しかし、各図案に細かい説明がついたり、切り絵のテクニックまで網羅されている内容充実の本。私は切り絵は「見る」「集める」専門ですが、眺めるだけでも十分価値がある本。内容的に切り絵の本の中ではかなり充実してる一冊だと思います。切り絵をやられる方にとってはたまらない一冊でしょう。
ポスターで見る中国現代史。一挙168点掲載!1949年中華人民共和国成立・1966年文化大革命を経て2008年四川大地震まで。 という事で、中国のプロパガンダポスターの本。好きな人にはたまらない本ですが、図案を見て行くと昔の方がデザイン的に面白気がするのは私だけでしょうか??昔は著名な芸術家なども、政府の圧力でプロパガンダポスターを作りました。ですので、秀逸なポスターが多いのでデザインをみる為にも役立つ一冊です。
ロシアの革命画と中国の革命画の決定的違いは何だかわかりますか??それは「光」「明るさ」です。ロシアの革命画が「辛さ」「苦しさ」をアピールする事が主眼ですが、中国は「明るい未来」にプロパガンダの主眼を置きました。それは中国の農民たちが親しんできた農民画の手法。農民画は吉祥図案を通して幸せを願いますが、プロパガンダポスターは「毛沢東」を通して幸せを願います。
・華国風味 (青木 正児)
戦前に活躍した中国学者の本。とくに酒と料理の描写と考察がぴか一。言い回しが難しかったり、ページの半分が古典からの引用だったりと、難易度は高いですが、青木先生の食と酒と中国へ対する造形の深さと、洒脱な文体で思ったよりすらすらと読めます。中国の話し半分、日本の話し半分と言うところですが、この博覧強記ぶりは見ていて爽快です。
・九龍城探訪 魔窟で暮らす人々 -City of Darkness- グレッグ・ジラード, et al
実は、行ったことも見た事もありませんが、この九龍城砦が昔から好きでしょうがありません。基本的に北の乾燥した地域が好きなのですが、南のまとわりつく熱気、カビ臭さ、雨の匂い・・・など、南の都市部もなかなか捨てがたい。私の中で、その南的な混沌が集約した物が「九龍城砦」なのです。廃墟好き、地下や建物好き、歴史好き、社会学好きな人なら必ず楽しめる一冊。かなりお勧めです。写真も豊富で解説も詳細。
M7.8。死者24万人。中国河北省の工業都市・唐山を襲った直下型地震。そのとき人は何を考え、どう反応したのか。文化大革命時に起こった唐山大地震を詳細に記録した本。作者の感情が出すぎていているきらいはありますが、直下型地震としては最大規模の被害が出た唐山地震の実態が解る本です。略奪や横領など書きにくい事もある程度取材している点が特徴的。地震の前兆の描写が不気味で一人で読んでいると怖くなってしまいます。
賛否両論ある人ですが、私は毛沢東の考え方って好きです。別に主義や哲学ではなく、交渉術や人の使い方や人事のバランスや、文革に見るように「誰も想像できない」事をやってしまう所など・・・・この本は一部だと毛沢東を批判する暴露本的扱いですが、私はこの本で人間としての毛沢東が見れたと思っています。