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日本でも吉祥図案は祝い事などで目にする事がある、例えば日本の家紋も吉祥図案的な考え方に基づくものが多い。しかし、中国では日本人が想像できないほど吉祥図案を暮らしの中に取り入れ、大切にしてきた民族である。
それは、表意文字であると共に、表音文字たる漢字を使っていた事に一因がある。日本でも、五円玉に「ご縁」を掛けるような用法があるが、中国の場合は、一つの読み方で、数種から数十種の漢字が当て嵌められる言語形態なので、自然、その数は多くならざる終えない。
現に調べてみると、吉祥図案の意味づけの中に、必ずと言っていいほど「○○と発音が同じ」と言う表記にぶつかる事でも明らかだ。
ここでは、当店を利用するお客様に、商品に何気なく書いてある図案の一つ一つが、意味を持つ事を理解し、より、商品を楽しんでいただこうと思い、浅学のみで恐れ多いが、吉祥図案についてまとめてみようと思う。
あくまで私個人が中国で体験した事と、今まで読んだ本の知識、それと中国の書籍、日本の書籍から得た知識を個人的にまとめたものであるので、あくまで、個人的な理解として読んでいただければ幸甚です。
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中国の人々は、世界中の民族がそうである様に、非常に植物を愛している、北京の円明園、
蘇州の留園など、中国中に作られたそれらの庭園が、その事を如実に表している。
美しい草花のみならず、彼らは普通の草花にも美点を見つけ、吉祥図案に取り込んでいった。
冬でも枯れぬ草に、自然の生命力の強さを感じたり、その名前の発音と、喜びの言葉を結びつけたりと枚挙に暇が無い。
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中国人は、龍や鳳凰などの想像上の動物のみならず、身近な動物たちの仕草や、生態などから、野生のたくましさ、健気さを見つけ、瑞祥とした。
辛く苦しい生活の中で、身近なものにも喜びを見出し、希望を託す事は、つかの間でもつらい現実を忘れ、幸福な未来を夢見る民衆の知恵である。
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中国には「道教」と言われる宗教がある。主に現世での幸福や出世、材運を祈る宗教で、現実的な中国人の生活に密着している宗教である。
生活に密着している宗教なので、これら道教の神々もよく吉祥図案として利用される。
また、中国は歴史が非常によく整った国であり、千年以上前の人物が話の引き合いに出される事も多い、また、その人物の業績や伝説にあやかる意味で、これらの人物の図案もまた多い。
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中華五福吉祥図典 黄全信 主編
華言学生出版(中国)
中華祥瑞図典 孟君 編集
団結出版社(中国)
中国吉祥図典 王守愚 著
北京画書出版社(中国)
中国シンボル図典 梅本重一著
東京堂出版社(日本)
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