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僕は北京の胡同(裏路地)が好きだ。
胡同を目的もなくユルユルと歩く。
膝にぶつかるすれすれの距離で子供たちが走り抜けていく。
振り返ると彼らのズボンのお尻の部分が丸く開いていたりする。
次の角を左に曲がると大通りにでたはず、だけどもう少し散歩を楽しみたいから右に曲がってみよう。
なんてことをやっていたら夕暮れになって、電柱の陰に隠れているかもしれない想像の中の強盗に
ビクビクしながら早足で明るい方向に歩いていくと、
突然おしゃれな雑貨屋が現れたりするので油断がならない。
胡同で見つけ、はまってしまったものは実に多い。
中国茶館で飲むミルクの香りがする烏龍茶。
台車にどっさりとつまれたエメラルドグリーンの干し葡萄。
そしてこのサイトで扱っている鼻煙壷もそうだ。
いつものあてもないぶらぶら歩きの途中、軒も傾いたような骨董店の
ショーウィンドー、色褪せたガラクタの中で、七宝焼きの鳩の鼻煙壷が
空を見つめていた。
夢中でその店に入り、値段交渉もしないまま買ったあの鼻煙壷との出会いがあり、
それから今日まで、鼻煙壺との縁が続いている。
あの時は2001年、日暮れが早かったので冬のことだと思う。
コートの下から汗ばむ手で財布を捜した指の感覚が、まだ手に残っている。
あれから早くも、9年。20歳の留学生だった僕も、30を超えた。
「出会いが人生を変える」とはよく膾炙された言葉だが、
鼻煙壺は僕の人生を変えた要素のひとつ。
しかし、僕と鼻煙壺の関係は少し変わっている。
コレクターが眼の色を変えて高値を付ける物は
私は博物館で見るだけで満足。
日本の骨董店で、桐の箱に入り、店主たちの美辞麗句でべたべたに
なった品も一切興味がない。
実際に所有し、触り、眺め、飾れるもの。
少しラフな付き合いができる物。
名もない工人が作った物。
そんなものが僕は大好きだ。
なので、この店に、古いものや極端な高級品はない。
それは、おそらく、日本ではそんなに有名ではないものを
僕と同じスタンスで楽しめる人が居ると思っているからだ。
思っているというより、探しているのかもしれない。
話はここで北京に戻る。
大きいバスで故宮に天安門に万里の長城を巡り、
お土産に翡翠の置物や淡水真珠などを買って帰る。
有名な骨董店でお金があればいい鼻煙壺も買えるはずだ。
それは確実に北京の魅力を味わえ、外れも少ないだろう。
だけど僕は予想外の所に鄙びた茶館があったり、
どこからか穏やかなお香の匂いが漂ってきたり、
時には肉屋の店頭で逆さ吊りにされた豚にギョッとしたりする、
意外性のある胡同の方が好きだ。
胡同の意外な出会いがこのショップの原点。
このサイトもそんな胡同のようにそぞろ歩きが楽しめるサイトに
していきたいと思う。
そして皆様もその雰囲気を楽しんで頂けて、
お気に入りの一品を見つけ出して頂ければ幸いである。
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企業理念 |
私たちは価値観の「止揚」を重視し、時間・利益・品質の均衡を考慮し、
過去の成功体験にとらわれない柔軟性を持ち、
新たな価値・文化を創出します。 |
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活動 |
WEBショップの運営、及びに副業ベースのWEBショップ運営の講座の開催、
情報サイトの運営及び、実店舗のWEBマーケティングなどを行う。
また、企業のWEBショップのアドバイザー業務、テーマ別の商品の提案など、
WEBショップを軸にした、様々な活動を行う。 |
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概要 |
商号 |
中国雑貨 清花堂 |
代表 |
菊池一弘 |
設立 |
2004年10月 |
本社 |
〒336-0026 埼玉県さいたま市南区辻4-8-4 |
人員 |
3名(他パートナー4名) |
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